世界の測量

Sibling of "Relevant, Timely, and Accurate, " but much lighter and shorter ※自らの所属する組織の見解を示すものでない

tsukubau for #webgistec 3

#webgistec 3 に備えて、tsukubau という名前の Geo+Web サイトを立ち上げようとしている。

#webgistec 1 では、零度のウェブマッピングというサイト(解説:http://d.hatena.ne.jp/hfu/20100615/1276545882 、実装:http://zero-degree.heroku.com/geohash/xn77n.html )を立ち上げた。零度のウェブマッピングは、軽量なRubyスクリプトにより、PostGISに経緯度座標で保持したOpenStreetMapデータから「直接的に(大層なミドルウェア層を入れることなく)」投影済みのSVGデータを吐き出すようにすること、また吐き出したデータは吐き出したときにキャッシュされるようにすること、吐き出したデータはiPadの画面に合わせてデザインしたものにすること(マルチタッチジェスチャで、ページをめくるように図郭を移動すること)といったことを特徴としたコンセプト実証用のサイトで、それ自身はまったく実用性はないが、ウェブマッピングは本来こんなあたりにも着目しておくべきではというコンセプトを実証する気持ちで、こういうタイトルのサイトづくりをしたのだと思う。零度のウェブマッピングの最大の弱点は、地図画像に全くデザイン性がないところである。

tsukubau は、まさに今晩作業を投入したばかりであるが、ある意味ですでに零度のウェブマッピングを超えているとも言えるし、零度のウェブマッピングにはまだまだ及んでいないとも言える。前者の言い方が出来る理由は、MapBox が TileMill を出したことによる。TileMill により、タイルベースのWebマッピングとJavaScriptマップライブラリの組み合わせによるGeo+Webサービスを誰でも出せるようになった。これは非常に大きな事で、わかりやすく言うとGoogle Mapsを作るためのツールがコモディティ化したのであり、データの位置づけが変わる。データがシステムを離れてプラグイン可能になる。そうなると、編集工学も言うように、情報はひとりではいられない。データの融合が進むことになる。

また、技術面の大半がコモディティ化したので、デザイン側にもより力をいれることができるようになるだろう。TileMillが出力するMBtilesデータはMapBoxのサービスでも、Herokuでもホストできるし、iPadでも可搬式で閲覧できるし、またタイル画像群に展開してAmazon S3みたいなところに投入して使ってもらうこともできるようだ。インフラストラクチャ部分について、うまくデファクトスタンダード形成を進めていると思う。MapBoxと、その関係であるDevelopmentSeed自体、デザインを重視している組織であるようだ。

tsukubau (の動作確認的な初期実装)は、今週中には公表できるようにしたい。