希望の軸 2.0 の計算方法

昨日Web公開されていた藤村龍至さん「列島改造論2.0」の中で、小縮尺地図に直定規を当てて「希望の軸」を描かれている写真を見て、地図屋としてつい厳密実装（検証）してみました。ほぼ対蹠点まで延長。ジオクラスタ用の技術解説はあとで書きます。 maps.google.co.jp/?q=http://www.…
— _hfu_さん (@_hfu_) 9月 22, 2012

論文本文の趣旨にはまったく関係ないところでの、地図屋の趣味の範囲での作業です。その動機は、次の通り。

小縮尺地図に直定規や同心円が当たっている姿をみると、反射的に検証してしまいたくなってしまうのが地図屋。あとで時間を見つけて、遊び心でやってみる。 GeodeticCalculator を使おう。（GeoTools 9 を予定） issuu.com/contectures/do…
— _hfu_さん (@_hfu_) 9月 21, 2012

実際に表示したものを見た私の感想は次の通り。

この「福島第一原子力発電所から裏鬼門の方位に向かって引いた線（厳密版）」（仮称：希望の軸 2.0）の見所は、マニラとジャカルタを等しく掠めること、スンダ海峡をぴったり通り抜けること、喜望峰を回りこむこと、だと思いました。 maps.google.co.jp/?q=http://www.…
— _hfu_さん (@_hfu_) 9月 22, 2012

その実装は、次のとおり。JRuby を使って、Java 上の GeoTools にある測地学計算機を利用。電子国土Web.NEXT を使って計測した福島第一原子力発電所の位置から、方位角 -135度を保って距離を変えていった点列を KML ファイルとして出力する。

%w{rubygems geo_ruby java ~/lib/geotools-8.2/gt-referencing-8.2.jar}.
  each {|l| require l}
gc = (import 'org.geotools.referencing.GeodeticCalculator').new

gc.setStartingGeographicPoint(141.0349, 37.4212) # Fukushima Dai'ichi

wkt = 'LINESTRING ('
0.step(20000000, 100000) {|d|
  gc.setDirection(-135, d)
  pt = gc.getDestinationGeographicPoint
  wkt << "#{pt.x} #{pt.y}, "
}
wkt.chop!.chop!
wkt << ')'
g = GeoRuby::SimpleFeatures::LineString::from_ewkt(wkt)

File.open('sw.kml', 'w').print <<-EOS
<?xml version='1.0' encoding='UTF-8'?>
<kml xmlns="http://earth.google.com/kml/2.0">
<Document>
<Placemark>
#{g.as_kml.chop!}
</Placemark>
</Document>
</kml>
EOS