世界の測量

Sibling of "Relevant, Timely, and Accurate, " but much lighter and shorter ※自らの所属する組織の見解を示すものでない

アナリシスからスタイルへ (@niyalist)

@niyalist 伊藤昌毅さんの「ジオメディアの技術」を読んでいる。2012年1月13日に公開されたものであるが、2010年8月9日に発表されたものということで、2010年という時点で既に国際展開といった観点が入っている等、その内容の先見性に驚く。このプレゼンには、ジオメディアの技術要素について包括的な分類と鋭い分析が行われていると思っている。2010年に作られたスライドでありながら、2012年に読んでも少しも古くない。

一方で、この「少しも古くない」ことについては、もう一つの要因があるように思われる。それは、「要素技術の評価と分析については、かなりやりつくされつつある」ということである。HTML5 も、要素技術(ビルディングブロック)を提供するものであり、ジオの技術状況と相まって「ビルディングブロックは揃い、それぞれのビルディングブロックの評価は適切に行われている」という状況を作り出している。つまり、評価済みで実績もあるビルディングブロックが揃ってきたということである。

次に必要なのは、客観ならぬ主観が込められた「スタイル」の提示なのではないかと思われる。「○○が優れているから使用する」のではなくて「ある価値を実現するために○○を使用する」という、主観あふれるスタイルの提示が有効であるように思える。

建築が、客観的評価を受けた部材の積み上げのみで実現されるのではなく、主観あふれるスタイルによって実現されることがヒントになるのではないか。また、建築家グループという概念も参考になるのではないか。

身近に子供がいる方は、ブロックで遊ぶときにコルビュジエのドミノで家を作ってみると、ドミノの素晴らしさに驚くと思う。本当に壁面が自由に作り出せる。ジオの技術におけるコルビュジエのドミノのようなものが、つまりビルディングブロックの主観あふれる創意的な組み合わせ方が、2012年のジオのブレークスルーを呼ぶのではないか。