世界の測量

Sibling of "Relevant, Timely, and Accurate, " but much lighter and shorter ※自らの所属する組織の見解を示すものでない

地理空間について

「地理空間」というのは「地理空間情報」から虚像的にうまれた概念だと思っていたけれど、いま調べると地理空間学会というソサエティがある。この学会名の中の地理空間は「Geographical Space」であるとのこと。地理学的な空間という意味だろうか。「地理空間学会では,地理学の新たな地平の開拓はもちろんのこと,地理学の礎となる土地や地域の記述・分析や地誌的な記載といった営みを,積極的に奨励してゆきます。さらに地理教育を重視し,さまざまな側面からその発展を図ります。」とのこと。地理空間情報からうまれた虚像としての「地理空間」のもつイメージと、地理空間学会の提唱する領域とは、私のなかでは大きく異なる。

「地理空間」という言葉から何を連想するか。流布している定義がないと思われることから、興味深い。

@niyalist さんのエントリ(2011年を振り返る - niyalistのブログ)で「地理空間」とされているところの言い換えを試みてみても、なかなかうまいものが見つからない。「実世界」であるように思ったが、「地理空間」には「実世界」に「実世界の記述」が加わっているように思える。

後期ウィトゲンシュタインの影響を受けているので、「実世界の解釈」という書き方を意識的に回避した。解釈には実像がなく、記述には実像がある。ウィトゲンシュタインとは - はてなキーワードにおいて、「記号に随伴するものが何であれ、それは我々とってやはり一つの記号にすぎないであろう。」と書かれているあたりに近いアイディア。